2022年3月15日。iOS 15.4(19E241)がリリースされました。マスクをしたままFace IDが利用できるようになるのを含む7件の新機能、7件の機能向上、4件のバグ修正、39件のセキュリティ問題(CVE)への対応したメジャーリリースです。
実際に手持ちのiPhoneをアップデートした結果を踏まえて、iOS 15.4にアップデートすべきか否か、サイズ、更新内容、所要時間、更新後不具合などについてご紹介します。
また、同日にiPad用のiPadOS 15.4、Apple Watch用のwatchOS 8.5、Mac用のmacOS Monterey 12.3もリリースされています。対象機器をお持ちの方は合わせてご確認ください。
iOS 15.4 アップデートすべき?待つべき?
iOS 15.3.1がリリースされてから1ヶ月とちょっと。2番目の数字が変更されるメジャーアップデートです。
「iOS 15 のアップデートについて」の「iOS 15.4」を見ると、5つのカテゴリで7件の新機能、7件の機能改善、4件のバグ修正が行われているのがわかります。
特に今回の目玉は開発中から言われていた、マスクをしたままでのFace IDの利用が可能になったことが挙げられます。
「Appleセキュリティアップデート」で「iOS 15.4 および iPadOS 15.4」を見ると、24のカテゴリで39件のセキュリティ問題(CVE)に対応しているのがわかります。
更新後のバージョンをみると、「19D52」から「19E241」とアルファベットが変更されているのでメジャーアップデートであることがわかります。
上記を踏まえiOS 15.4にアップデートしても良いのは次の方です。
- マスクをしたままFace IDの利用など、該当する新機能を利用したい方
- “設定”で保存済みのパスワードに自分用のメモを追加可能となる機能など、該当する機能向上を利用したい方
- 写真とビデオがiCloud写真ライブラリに同期されないなど、該当する問題(バグ)が発生している方
- セキュリティ意識の高い方
- 常に最新版を利用したい方
- 不具合が発生した場合に自分で対処出来る方
アップデートをしばらく控えた方が良いのは次の方です。
- 慎重派の方
- 問題が起きた時に対応できない方
- 仕事で専用サイト、アプリを利用されている方
- 会社がiPhone管理をしている方
今回はメジャーアップデートのため不具合が発生する可能性もあるので、とりあえず、3月末まで様子見しても良いかと考えます。
仕事、会社でiPhoneを利用している方は、管理アプリでバージョンアップが出来ないように制限されている場合があるので、OKが出るまではアップデートを控えることをオススメします。
iOS 15のビジュアル的な紹介は「iOS 15 – Apple (日本)」や「iOS 15で利用できる新機能」や「iOS 15が、つながりを保つ新しい方法や、デバイス上の知能を使い、ユーザーの集中を助けたり、探索したり、さらにいろいろなことができるパワフルな機能を提供」や「iPhoneユーザーガイド」をご確認ください。
iOS 15.4 アップデート後の不具合について
2022年3月19日15:00現在、手元にあるiPhone 12 Pro Max、iPhone 7 PlusをiOS 15.3.1から15.4にアップデートしましたが、
- 文鎮化する
- 起動しない
- 再起動を繰り返す
などの不具合は発生していません。
ただ、iPhone 12 Pro Maxではタイミングが悪かったのか、Wi-Fi環境が悪かったのか途中中断を含めてダウンロードに90分ぐらいかかりました。
その他、不具合については気づいたら更新します。
iOS 15.4 のサイズとアップデート所要時間、更新後のパージョンについて
今回のiOS 15.4のリリースに伴い、手持ちのiPhone 12 Pro Max、iPhone 7 Plusのアップデートを実施しました。
アップデートのサイズや所要時間はアップデート前の環境、通信環境に大きく依存しますが次のとおりです。
# | 機種 | 更新前 バージョン | サイズ | 全体 所要時間 | ダウンロード 所要時間 | インストール 所要時間 | 更新後 バージョン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | iPhone 12 Pro Max | iOS 15.3.1 (19D52) | 1.25GB | 不明 (120分未満) ※1 | 不明 ※1 | 26分 | iOS 15.4 (19E241) |
2 | iPhone 7 Plus | iOS 15.3.1 (19D52) | 1.03GB | 不明 | 不明 (20分以上) ※1 | 12分 | iOS 15.4 (19E241) |
(※1:格安SIMのモバイルWi-Fiルータを使用し、途中ダウンロード中断。※2:ドコモ光経由のWi-FIを使用)
アップデートする際には、
- 最低30分、できれば60分以上iPhoneを使用しなくて済む時間
- 最低20%の充電
- 電源に接続された環境
- 安定したWi-Fi環境
を確保した上でアップデートしてください。
特にストレージの空き容量が少ない場合、時間がかかる傾向があります。 ストレージの空き容量が少ない場合には画像や音楽などのデータを削除する、アプリを削除する等の対応をご検討ください。
iOS 15.4 の更新内容について
iPhone上では【ソフトウェア・アップデート】画面で次のように表示されます。
サイズは、機種ならびに現在のパージョンによりサイズが異なります。
iOS 15.3.1のiPhone 12 Pro Maxでは1.25GB、iPhone 7 Plusでは1.03GBでした。
今回も「詳しい情報」はなく、ソフトウェア・アップデートの画面でセキュリティアップデートが提供され、点字ディスプレイが応答しなくなることがある問題の修正が含まれていることがわかります。
「iOS 15 のアップデートについて」の「iOS 15.4」にも同様の記述があり、次の5つのカテゴリで7件の新機能が含まれています。
- Face ID … 2件
- 絵文字 … 1件
- FaceTime … 1件
- Siri … 1件
- ワクチン接種カード … 2件
また、7件の機能向上、4件のバグ修正が含まれています。
iOS 15のビジュアル的な紹介は「iOS 15 – Apple (日本)」や「iOS 15で利用できる新機能」をご確認ください。
iOS 15.4 のセキュリティアップデートについて
公式サイト「Appleセキュリティアップデート」で「iOS 15.4 および iPadOS 15.4」を見ると、iOS 15.4には24のカテゴリで39件のセキュリティ問題(CVE)への対応が含まれています。
# | カテゴリ | 件数 | CVE番号 | 対象iPhone | 対象iPod touch |
---|---|---|---|---|---|
1 | Accelerate Framework | 1 | CVE-2022-22633 | 6s以降 | 第7世代 |
2 | AppleAVD | 1 | CVE-2022-22666 | 6s以降 | 第7世代 |
3 | AVEVideoEncoder | 3 | CVE-2022-22634 CVE-2022-22635 CVE-2022-22636 | 6s以降 6s以降 6s以降 | 第7世代 第7世代 第7世代 |
4 | Cellular | 1 | CVE-2022-22652 | 6s以降 | 第7世代 |
5 | CoreMedia | 1 | CVE-2022-22598 | 6s以降 | 第7世代 |
6 | FaceTime | 2 | CVE-2022-22642 CVE-2022-22643 | 6s以降 6s以降 | 第7世代 第7世代 |
7 | GPU Drivers | 1 | CVE-2022-22667 | 6s以降 | 第7世代 |
8 | ImageIO | 2 | CVE-2022-22611 CVE-2022-22612 | 6s以降 6s以降 | 第7世代 第7世代 |
9 | IOGPUFamily | 1 | CVE-2022-22641 | 6s以降 | 第7世代 |
10 | iTunes | 1 | CVE-2022-22653 | 6s以降 | 第7世代 |
11 | Kernel | 7 | CVE-2022-22596 CVE-2022-22640 CVE-2022-22613 CVE-2022-22614 CVE-2022-22615 CVE-2022-22632 CVE-2022-22638 | 6s以降 6s以降 6s以降 6s以降 6s以降 6s以降 6s以降 | 第7世代 第7世代 第7世代 第7世代 第7世代 第7世代 第7世代 |
12 | libarchive | 1 | CVE-2021-36976 | 6s以降 | 第7世代 |
13 | Markup | 1 | CVE-2022-22622 | 6s以降 | 第7世代 |
14 | MediaRemote | 1 | CVE-2022-22670 | 6s以降 | 第7世代 |
15 | NetworkExtension | 1 | CVE-2022-22659 | 6s以降 | 第7世代 |
16 | Phone | 1 | CVE-2022-22618 | 6s以降 | 第7世代 |
17 | Preferences | 1 | CVE-2022-22609 | 6s以降 | 第7世代 |
18 | Sandbox | 1 | CVE-2022-22600 | 6s以降 | 第7世代 |
19 | Siri | 1 | CVE-2022-22599 | 6s以降 | 第7世代 |
20 | SoftwareUpdate | 1 | CVE-2022-22639 | 6s以降 | 第7世代 |
21 | UIKit | 1 | CVE-2022-22621 | 6s以降 | 第7世代 |
22 | VoiceOver | 1 | CVE-2022-22671 | 6s以降 | 第7世代 |
23 | WebKit | 6 | CVE-2022-22662 CVE-2022-22610 CVE-2022-22624 CVE-2022-22628 CVE-2022-22629 CVE-2022-22637 | 6s以降 6s以降 6s以降 6s以降 6s以降 6s以降 | 第7世代 第7世代 第7世代 第7世代 第7世代 第7世代 |
24 | Wi-Fi | 1 | CVE-2022-22668 | 6s以降 | 第7世代 |
iOS 15.4 への更新手順
iOS 15.4 にアップデートされたことの確認手順
ソフトウェア・アップデートでの確認
情報画面での確認手順
おわりに
前回のリリースからiOS 15.4のリリースについて大きく報道がなされる中、1ヶ月ちょっとでのメジャーリリースとなりました。
予定通り、マスクをしたままFace IDが利用できるようになり利便性が大幅に向上しました。
また、24のカテゴリで39件のセキュリティアップデートがされました。
メジャーアップデートではありますが、アップデートできるならアップデートするに越したことはないと考えます。
その他、不具合など見つけた際には更新します。
では、今回はこの辺で。