2022年3月15日。前回のリリースから1ヶ月ちょっと。macOS Monterey 12.3(21E230)がリリースされました。
今回のmacOS Monterey 12.3へのアップデートで、今年度の目玉の機能であるMacとiPadを行き来できるユニバーサルコントロールがついに利用可能となります(iPadが対応機種であること、iPadOS 15.4にしていることなど要件を満たしている必要があります)。
その他空間オーディオ、絵文字の新機能の対応、5件の機能向上、31カテゴリで60件のセキュリティ問題への対応を含むメジャーアップデートです。
本記事では手持ちのM1 Mac、Intel MacをmacOS Monterey 12.3に更新した結果を踏まえ、アップデートすべきか否か、サイズ、更新所要時間、更新後不具合などを紹介します。
同日にiPhone向けにiOS 15.4、iPad向けにiPadOS 15.4、Apple Watch向けにwatchOS 8.5もリリースされています。該当機種をお持ちの方は合わせてご確認ください。
macOS Monterey 12.3 に更新すべき?待つべき?
今回のアップデートは2番目の数字が変更されるメジャーアップデートとなります。
- ユニバーサルコントロールを含む、3つのカテゴリで6件の新機能
- 保存済みのパスワードに自分用のメモを追加するなど、5件の機能向上
- “写真”アプリの不具合への対応など、2件のバグ修正
- 31カテゴリで60件のセキュリティ問題(CVE)への対応
が含まれています。
macOS Monterey 12.3にアップグレードして良いのは次の方です。
- ユニバーサルコントロールなど新機能を利用したい方
- 当該する機能向上を利用したい方
- 最新版にしたい方
- セキュリティ意識の高い方
アップデートを待った方が良いのは次の方です。
- 慎重派の方
- 問題が発生した際に自分で対応できない方
メジャーアップデートであることから、2週間から1ヶ月程度様子を見ても良いと考えます。
macOS Monterey 12.3への更新後の不具合の有無について
2022年3月20日15:30現在、
- Mac mini M1, 2020
- MacBook Pro, 13-inch, 2016, Two Thunderbolt 3 ports
をmacOS Monterey 12.3 に更新しましたが、
- 起動しない
- 再起動を繰り返す
- 通信できない
などの不具合は発生していません。
その他、何か見つけた際には更新します。
macOS Monterey 12.3 のサイズ、更新所要時間は?
実機で確認したmacOS Monterey 12.3 のサイズ、更新所要時間は次のとおりです。
# | 機種 | 更新前 バージョン | サイズ | 全体 所要時間 | ダウンロード 所要時間 | インストール 所要時間 | 更新後 バージョン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Mac mini, M1 2020 | 12.2.1 21D62 | 5.26GB | 41分 | 18分 ※1 | 23分 | 12.3 21E230 |
2 | MacBook Pro, 13-inch, 2016, Two Thunderbolt 3 ports | 12.2.1 21D62 | 4.38GB | 51分 | 不明 ※2 | 不明 | 12.3 21E230 |
最低60分Macを使わずに済む時間を確保ください。
TimeMachineによるバックアップを行う場合にはプラスαでバックアップする時間を確保してください。
MacBookに関しては、
- 最低20%以上充電されていること
- 安定・高速なWi-FI接続、または、有線LAN
- 電源
などのインストール環境を整えた上で作業することを強く推奨します。
macOS Monterey 12.3 の更新内容について
システム環境設定のソフトウェア・アップデートを選択すると「macOS Monterey 12.3」と表示されます。
「詳しい情報…」をクリックすると「このMac用のアップデートがあります」画面が表示され、サイズと詳細を確認できます。
サイズは機種によって異なる場合があります。
macOS Monterey 12.3の実サイズは、
- Intel Macでは4.38GB
- M1 Macでは5.26GB
でした。
詳細については、同様の記述が「macOS Montereyのアップデートの新機能」に記載されています。(2022年3月20日15時時点では英語版のみ)
新機能は目玉であるユニバーサルコントロールを含む、3カテゴリ6件。
機能向上は5件。
バグ修正は2件対応しています。
macOS Monterey全体については、公式サイトの「macOS Monterey」「macOS Montereyで利用できる新機能。」をご確認ください。
macOS Montereyを導入可能な機種については、公式サイトの「macOS Monterey と互換性のあるコンピュータ」をご確認ください。
macOS Monterey 12.3 のセキュリティコンテンツについて
公式サイト「Apple セキュリティアップデート」で「macOS Monterey 12.3」をクリックすると、31カテゴリで60件のセキュリティ問題(CVE)に対応していることがわかります。
# | カテゴリ | CVE番号 | macOS Monterey 12.3 | macOS Big Sur 11.6.5 | macOS Catalina 10.15 |
---|---|---|---|---|---|
(合計カテゴリ数→) (合計件数→) | 31カテゴリ 60件 | 12カテゴリ 21件 | 9カテゴリ 17件 | ||
1 | Accelerate Framework | CVE-2022-22633 | ○ | ○ | – |
2 | AMD | CVE-2022-22669 | ○ | – | – |
3 | AppKit | CVE-2022-22665 | ○ | – | – |
4 | AppleGraphicsControl | CVE-2022-22631 | ○ | ○ | ○ |
5 | AppleScript | CVE-2022-22625 CVE-2022-22648 CVE-2022-22626 CVE-2022-22627 CVE-2022-22597 | ○ ○ ○ ○ ○ | ○ ○ ○ ○ ○ | ○ ○ ○ ○ ○ |
6 | BOM | CVE-2022-22616 | ○ | ○ | ○ |
7 | curl | CVE-2021-22946 CVE-2021-22947 CVE-2021-22945 CVE-2022-22623 | ○ ○ ○ ○ | – – – – | – – – – |
8 | FaceTime | CVE-2022-22643 | ○ | – | – |
9 | ImageIO | CVE-2022-22611 CVE-2022-22612 | ○ ○ | – – | – – |
10 | Intel Graphics Driver | CVE-2022-22661 | ○ | ○ | – |
11 | IOGPUFamily | CVE-2022-22641 | ○ | – | – |
12 | Kernel | CVE-2022-22613 CVE-2022-22614 CVE-2022-22615 CVE-2022-22632 CVE-2022-22638 CVE-2022-22640 | ○ ○ ○ ○ ○ ○ | ○ ○ ○ ○ ○ – | ○ ○ ○ – ○ – |
13 | libarchive | CVE-2021-37976 | ○ | – | – |
14 | Login Window | CVE-2022-22647 CVE-2022-22656 | ○ ○ | ○ ○ | ○ ○ |
15 | GarageBand MIDI | CVE-2022-22657 CVE-2022-22664 | ○ ○ | – – | – |
16 | NSSpellChecker | CVE-2022-22644 | ○ | – | – |
17 | PackageKit | CVE-2022-22617 | ○ | ○ | ○ |
18 | Preferences | CVE-2022-22609 | ○ | – | – |
19 | QuickTime Player | CVE-2022-22650 | ○ | ○ | ○ |
20 | Safari Downloads | CVE-2022-22616 | ○ | – | – |
21 | Sandbox | CVE-2022-22600 | ○ | – | – |
22 | Siri | CVE-2022-22599 | ○ | ○ | – |
23 | SMB | CVE-2022-22651 | ○ | – | – |
24 | SoftwareUpdate | CVE-2022-22639 | ○ | – | – |
25 | System Preferences | CVE-2022-22660 | ○ | – | – |
26 | UIKit | CVE-2022-22621 | ○ | – | – |
27 | Vim | CVE-2021-4136 CVE-2021-4166 CVE-2021-4173 CVE-2021-4187 CVE-2021-4192 CVE-2021-4193 CVE-2021-46059 CVE-2021-0128 CVE-2021-0156 CVE-2021-0158 | ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ | – – – – – – – – – – | – – – – – – – – – – |
28 | VoiceOver | CVE-2021-30918 | ○ | – | – |
29 | WebKit | CVE-2022-22662 CVE-2022-22610 CVE-2022-22624 CVE-2022-22628 CVE-2022-22629 CVE-2022-22637 | ○ ○ ○ ○ ○ ○ | ○ – – – – – | ○ – – – – – |
30 | Wi-Fi | CVE-2022-22668 | ○ | – | – |
31 | xar | CVE-2022-22582 | ○ | ○ | ○ |
また、「macOS Big Sur 11.6.5」では12カテゴリで21件、「セキュリティアップデート 2022-003 Catalina」では9カテゴリで17件のセキュリティ問題に対応しています。
macOS Monterey 12.3 へのアップデート手順
最新のmacOS Montereyへのアップデート手順は次のとおりです。
macOS Monterey 12.3 適用確認手順
最新のmacOS Montereyに更新されているか確認するには次の手順で確認します。
おわりに
前回のアップデートから1ヶ月ちょっとでのメジャーアップデートとなりました。
macOS Montereyリリース直後から言われていた、ユニバーサルコントロールがついに実装されました。
iPadOS 15.4に更新したM1 iPad Proと共にチラリと使ってみましたが、Macの拡張画面的にiPadの画面にマウスカーソルが動き、でもiPadはiPadとして動いている。というのは面白くもあり違和感もあり。
これから活用方法などを探っていきたいと思います。
では、今回はこの辺で。