2022年3月15日。watchOS 8.5(19T242)がリリースされました。前回のリリースから1ヶ月ちょっとでのメジャーアップデートです。
実際に手持ちのApple Watch SEをwatchOS 8.5にアップデートした結果も踏まえて、更新すべきか否か、更新内容、サイズ、時間、手順、更新後の不具合の有無などを紹介します。
同日にiPhone用のiOS 15.4、iPad用のiPadOS 15.4、Mac用のmacOS Monterey 12.3がリリースされているので、対象機種をお持ちの方は合わせてご確認ください。
watchOS 8.5 に更新すべき?待つべき?
今回のwatchOSのアップデートはwatchOS 8.4.2からwatchOS 8.5へと2番目の数字が変更されるメジャーアップデートです。
watchOS 8.5では、次の新機能、機能改善、バグ修正が含まれます。
- Apple TVでの購入とサブスクリプションの承認機能
- Appleウォレットの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種カードがEUデジタルCOVID証明書の書式に対応
- 心房細動の検知を改善するために設計された不規則な心拍の通知のアップデート。この機能は、米国、チリ、香港、南アフリカ、およびその他多数の地域で使用可能。バージョンを確認するには、こちらにアクセスしてください: https://support.apple.com/ja-jp/HT213082
また、13のカテゴリで25件のセキュリティ問題(CVE)への対応が含まれます。
上記を踏まえてwatchOS 8.5にアップデートしても良い方は次のとおりです。
- 新機能、機能改善された内容を利用したい方
- 最新版を利用したい方
- セキュリティ意識の高い方
反対にアップデートを待った方が良いのは、
- 慎重派な方
- 問題が発生した場合に対処か困難な方
です。
メジャーアップデートのため2週間から1ヶ月程度様子見をしても良いと考えます。
watchOS 8.5 に更新後の不具合について
2022年3月20日17:30現在、Apple Watch SEをwatchOS 8.5にアップデートしましたが、次のような不具合・問題は発生していません。
- 起動しなくなる
- 再起動を繰り返す
- 通信しない
- 利用できない
その他、何か見つけた際には適宜更新します。
watchOS 8.5 のアップデートのサイズ、所要時間について
Apple Watch SEをwatchOS 8.4.2から8.5にアップデートしたときのサイズ、所要時間は次の通りです。
# | 機種 | 更新前 バージョン | サイズ | 全体 所要時間 | ダウンロード 所要時間 | インストール 所要時間 | 更新後 バージョン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Apple Watch SE 44mm | 8.4.2 (19S553) | 542MB | 49分 | 35分 ※1 | 14分 | 8.5 (19T242) |
watchOSのアップデートは、
- インターネットからiPhoneへのアップデートファイルのダウンロード
- iPhoneからApple Watchへのアップデート
と2段階のインストールとなるため、インターネット接続環境、iPhone – Apple Watchの通信状況に大きく依存します。
最低30分以上、可能であれば60分程度、iPhoneならびにApple Watchを利用しなくても問題のないタイミングでアップデートを実施してください。
また、watchOSの更新については、
- Apple Watchが充電器に接続されていること
- Apple Watchが50%以上充電されていること
- Apple WatchとペアリングしているiPhoneが同一のWi-Fiに接続されていること
- Apple Watchの使用可能容量が3GB以上あること
を確認の上、アップデートを行うようにしてください。
watchOS 8.5 の更新内容
Watchアプリのソフトウェア・アップデートには次の画面が出てきます。
サイズはApple Watchの機種、現行のパージョンによってサイズが変わります。
watchOS 8.4.2のApple Watch SEで542MBでした。
公式サイト「watchOS 8 のアップデートについて」の「watchOS 8.5」にも同様の記載があります。
- Apple TVでの購入とサブスクリプションの承認機能
- Appleウォレットの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種カードがEUデジタルCOVID証明書の書式に対応
- 心房細動の検知を改善するために設計された不規則な心拍の通知のアップデート。この機能は、米国、チリ、香港、南アフリカ、およびその他多数の地域で使用可能。バージョンを確認するには、こちらにアクセスしてください: https://support.apple.com/ja-jp/HT213082
ビジュアル的な内容や詳細は「watchOS 8」「watchOS 8、Apple Watchに新しいアクセス、つながり、マインドフルネスのための新機能を提供」をご確認ください。
日本における watchOS 8 の機能の対応状況
日本における watchOS 8 の機能の対応状況は次のとおりです。
- watchOS 8より「心拍数による周期記録の予測」が追加されています。
- watchOS 8.0.1で「デバイス上の音声入力」に対応していることを確認しました。
- watchOS 8.3以降で「QuickTypeキーボード」が追加されています。(8.4で認識)
- watchOS 8.5で大分類が「Apple Pay」から「ウォレット」に変更され、Apple Card、Apple Cashが追加、アプリケーション内での支払いが交通機関に変更されました。
また、大分類「マップ」が追加されました。
大分類 | 中分類・小分類 | 日本での対応状況 |
---|---|---|
Siri | Siri | ○ |
話せるSiri | ○ | |
Hey Siri | ○ | |
手首を上げて話す | ○ | |
翻訳 | ○(日本語<->英語・北京語・韓国語) | |
デバイス上の音声入力 | ○ | |
ブランドサービス | 血中酸素ウェルネスアプリ | ○ |
心拍数による周期記録の予測 | ○ | |
心電図 | ○ | |
不規則な心拍の通知 | ○ | |
友達を探す | ○ | |
ファミリー共有設定 | ○ | |
トランシーバー | ○ | |
News | ×(非対応) | |
指書き入力 | ×(非対応) | |
音声入力 | ○ | |
学生証 | ×(非対応) | |
Radio | ○ | |
空気質指標 | ×(非対応) | |
VoiceOver | ○ | |
海外における緊急通報 | ○ | |
Apple Music | Apple Music | ○ |
オーディオブック | オーディオブック | ○ |
Podcast | Podcast | ○ |
ウォレット | Apple Pay | ○ |
Apple Card | ×(非対応) | |
Apple Cash | ×(非対応) | |
交通機関 | ○ | |
Appleのマップ | 経路案内:この周辺 | ○ |
経路案内:経路の統合 | ×(非対応) | |
経路案内:ターンパイターン | ○ | |
自転車での経路 | ×(非対応) | |
マップ | 交通機関 | ○ |
リアルタイムの交通機関情報 | ×(非対応) | |
QuickTypeキーボード | 言語 | ×(非対応) |
自動修正 | ×(非対応) | |
QuickPath | ×(非対応) |
watchOS 8.5 のセキュリティアップデートについて
公式サイト「Apple セキュリティアップデート」で「watchOS 8.5」確認すると、13カテゴリで25件のセキュリティ問題(CVE)への対応が含まれていることがわかります。
# | カテゴリ | CVE番号 | 件数 | 対象機種 |
---|---|---|---|---|
1 | Accelerate Framework | CVE-2022-22633 | 1 | Series 3以降 |
2 | AppleAVD | CVE-2022-22666 | 1 | Series 3以降 |
3 | ImageIO | CVE-2022-22611 CVE-2022-22612 | 2 | Series 3以降 |
4 | Kernel | CVE-2022-22596 CVE-2022-22640 CVE-2022-22613 CVE-2022-22614 CVE-2022-22615 CVE-2022-22632 CVE-2022-22638 | 7 | Series 3以降 |
5 | libarchive | CVE-2021-36976 | 1 | Series 3以降 |
6 | MediaRemote | CVE-2022-22670 | 1 | Series 3以降 |
7 | Phone | CVE-2022-22618 | 1 | Series 3以降 |
8 | Preferences | CVE-2022-22609 | 1 | Series 3以降 |
9 | Safari | CVE-2022-22654 | 1 | Series 3以降 |
10 | Sandbox | CVE-2022-22600 | 1 | Series 3以降 |
11 | Siri | CVE-2022-22599 | 1 | Series 3以降 |
12 | UIKit | CVE-2022-22621 | 1 | Series 3以降 |
13 | WebKit | CVE-2022-22662 CVE-2022-22610 CVE-2022-22624 CVE-2022-22628 CVE-2022-22629 CVE-2022-22637 | 6 | Series 3以降 |
watchOS 8.5 へのアップデート手順
Apple Watchに「watchOS 8.5が利用可能です。」と通知されることがあります。
最新のwatchOSへのアップデート手順は次のとおりです。
watchOS 8.5 にアップデートされたことの確認
iPhoneのWatchアプリでの確認
iPhoneやApple Watchでアップデートされたことを確認するには次の手順で確認します。
Apple Watchの「設定」アプリでの確認
Apple Watchの「設定」アプリでもアップデートされたことを確認できます。
おわりに
前回のリリースから1ヶ月ちょっとでの、他のOSのバージョンアップに伴うメジャーリリース。
米国、チリ、香港、南アフリカなどでは、心房細動の検知を改善する不規則な心拍の通知がアップデートされ、日本でもバージョン1のままではありますが、アップデートはされています。
診療機器ではないものの、心強いですね。
その他不具合があった場合には更新します。
では、今回はこの辺で。