2022年5月17日。watchOS 8.6(19T572)がリリースされました。前回のリリースから1ヶ月半でのメジャーアップデートです。
実際に手持ちの Apple Watch SE を watchOS 8.6 にアップデートした結果も踏まえて、更新すべきか否か、更新内容、サイズ、時間、手順、更新後の不具合の有無などを紹介します。
同日に iPhone 用の iOS 15.5、iPad 用の iPadOS 15.5、Mac 用の macOS Monterey 12.4 がリリースされているので、対象機種をお持ちの方は合わせてご確認ください。
watchOS 8.6 に更新すべき?待つべき?
今回の watchOS のアップデートは watchOS 8.5.1 から 8.6 へと2番目の数字が変更されるメジャーアップデートです。
watchOS 8.6 では、以下の新機能と機能改善、およびバグ修正が含まれます。
- メキシコでApple Watch Series 4以降の“心電図” Appに対応
- メキシコで不規則な心拍の通知に対応
また、13のカテゴリで24件のセキュリティ問題(CVE)への対応が含まれます。
明記されたバグ修正はないため、日本においては基本的にはセキュリティアップデートと捉えても良いかもしれません。
上記を踏まえて watchOS 8.6 にアップデートしても良い方は次のとおりです。
- ペアリングしている iPhone を iOS 15.5 にアップデートした方
- 最新版を利用したい方
- セキュリティ意識の高い方
反対にアップデートを待った方が良いのは、
- 慎重派な方
- 問題が発生した場合に対処か困難な方
です。
メジャーアップデートのため2週間から1ヶ月程度様子見をしても良いと考えます。
watchOS 8.6 に更新後の不具合について
2022年5月17日11:30現在、Apple Watch SE を watchOS 8.6 にアップデートしましたが、次のような不具合・問題は発生していません。
- 起動しなくなる
- 再起動を繰り返す
- 通信しない
- 利用できない
その他、何か見つけた際には適宜更新します。
watchOS 8.6 のアップデートのサイズ、所要時間について
Apple Watch SE を watchOS 8.5.1 から 8.6 にアップデートしたときのサイズ、所要時間は次の通りです。
# | 機種 | 更新前 バージョン | サイズ | 全体 所要時間 | ダウンロード 所要時間 | インストール 所要時間 | 更新後 バージョン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Apple Watch SE 44mm | 8.5.1 (19T252) | 245MB | 27分 | 18分 ※1 | 9分 | 8.6 (19T572) |
watchOS のアップデートは、
- インターネットから iPhone へのアップデートファイルのダウンロード
- iPhone から Apple Watch へのアップデート
と2段階のインストールとなるため、インターネット接続環境、iPhone – Apple Watch の通信状況に大きく依存します。
最低30分以上、可能であれば60分程度、iPhone ならびに Apple Watch を利用しなくても問題のないタイミングでアップデートを実施してください。
また、watchOS の更新については、
- Apple Watch が充電器に接続されていること
- Apple Watch が50%以上充電されていること
- Apple Watch とペアリングしている iPhone が同一の Wi-Fi に接続されていること
- Apple Watch の使用可能容量が 3GB 以上あること
を確認の上、アップデートを行うようにしてください。
watchOS 8.6 の更新内容
Watchアプリのソフトウェア・アップデートには次の画面が出てきます。
サイズは Apple Watch の機種、現行のパージョンによってサイズが変わります。
watchOS 8.5.1 の Apple Watch SE で 245MB でした。
公式サイト「watchOS 8 のアップデートについて」の「watchOS 8.6」にも同様の記載があります。
- メキシコでApple Watch Series 4以降の“心電図” Appに対応
- メキシコで不規則な心拍の通知に対応
明記されたバグ修正はありません。
ビジュアル的な内容や詳細は「watchOS 8」「watchOS 8、Apple Watchに新しいアクセス、つながり、マインドフルネスのための新機能を提供」をご確認ください。
日本における watchOS 8 の機能の対応状況
日本における watchOS 8 の機能の対応状況は次のとおりです。
- watchOS 8.5.1 以降で「空気室指標」「サイクリング」に対応しました。(8.7で認識)
- watchOS 8.5 で大分類が「Apple Pay」から「ウォレット」に変更され、Apple Card、Apple Cashが追加、アプリケーション内での支払いが交通機関に変更されました。また、大分類「マップ」が追加されました。
- watchOS 8.3 以降で「QuickTypeキーボード」が追加されています。(8.4で認識)
- watchOS 8.0.1 で「デバイス上の音声入力」に対応していることを確認しました。
- watchOS 8 より「心拍数による周期記録の予測」が追加されています。
大分類 | 中分類・小分類 | 日本での対応状況 |
---|---|---|
Siri | Siri | ○ |
話せるSiri | ○ | |
Hey Siri | ○ | |
手首を上げて話す | ○ | |
翻訳 | ○(日本語<->英語・北京語・韓国語) | |
デバイス上の音声入力 | ○ | |
ブランドサービス | 血中酸素ウェルネスアプリ | ○ |
心拍数による周期記録の予測 | ○ | |
心電図 | ○ | |
不規則な心拍の通知 | ○ | |
友達を探す | ○ | |
ファミリー共有設定 | ○ | |
トランシーバー | ○ | |
News | ×(非対応) | |
指書き入力 | ×(非対応) | |
音声入力 | ○ | |
学生証 | ×(非対応) | |
Radio | ○ | |
空気質指標 | ×(非対応)→○ | |
VoiceOver | ○ | |
海外における緊急通報 | ○ | |
Apple Music | Apple Music | ○ |
オーディオブック | オーディオブック | ○ |
Podcast | Podcast | ○ |
ウォレット | Apple Pay | ○ |
Apple Card | ×(非対応) | |
Apple Cash | ×(非対応) | |
交通機関 | ○ | |
マップ | 経路案内:この周辺 | ○ |
経路案内:経路の統合 | ×(非対応) | |
経路案内:ターンパイターン | ○ | |
サイクリング | ×(非対応)→○ | |
交通機関 | ○ | |
リアルタイムの交通機関情報 | ×(非対応) | |
QuickTypeキーボード | 言語 | ×(非対応) |
自動修正 | ×(非対応) | |
QuickPath | ×(非対応) |
watchOS 8.6 のセキュリティアップデートについて
公式サイト「Apple セキュリティアップデート」で「watchOS 8.6」確認すると、13カテゴリで24件のセキュリティ問題(CVE)への対応が含まれていることがわかります。
# | カテゴリ | CVE番号 | 件数 | 対象機種 |
---|---|---|---|---|
1 | AppleAVD | CVE-2022-26702 CVE-2022-22675 | 2 | Series 3以降 |
2 | DriverKit | CVE-2022-26763 | 1 | Series 3以降 |
3 | ImageIO | CVE-2022-26711 | 1 | Series 3以降 |
4 | IOMobileFrameBuffer | CVE-2022-26768 | 1 | Series 3以降 |
5 | IOSurfaceAccelerator | CVE-2022-26771 | 1 | Series 3以降 |
6 | Kernel | CVE-2022-26714 CVE-2022-26757 CVE-2022-26764 CVE-2022-26765 | 4 | Series 3以降 |
7 | LaunchServices | CVE-2022-26706 | 1 | Series 3以降 |
8 | libresolv | CVE-2022-26775 CVE-2022-26708 CVE-2022-32790 | 3 | Series 3以降 |
9 | libxml2 | CVE-2022-23308 | 1 | Series 3以降 |
10 | Security | CVE-2022-26766 | 1 | Series 3以降 |
11 | TCC | CVE-2022-26726 | 1 | Series 3以降 |
12 | WebKit | CVE-2022-26700 CVE-2022-26709 CVE-2022-26710 CVE-2022-26717 CVE-2022-26716 CVE-2022-26719 | 6 | Series 3以降 |
13 | Wi-Fi | CVE-2022-26745 | 1 | Series 3以降 |
watchOS 8.6 へのアップデート手順
Apple Watch に「watchOS 8.6 が利用可能です。」と通知されることがあります。
最新の watchOS へのアップデート手順は次のとおりです。
watchOS 8.6 にアップデートされたことの確認
iPhone の Watch アプリでの確認
iPhone や Apple Watch でアップデートされたことを確認するには次の手順で確認します。
Apple Watch の「設定」アプリでの確認
Apple Watch の「設定」アプリでもアップデートされたことを確認できます。
おわりに
前回のリリースから1ヶ月半でのメジャーリリース。
その他不具合があった場合には更新します。
では、今回はこの辺で。