2019年1月13日。世界一美味しい牡蠣のラーメンを作るセカウマらーめんズの第3回目が開催されました。
タイトルは「100%牡蠣でできた麺!?セカウマ牡蠣ラーメンズ【製麺篇】」。
今回のテーマは「麺」。
『某大学生』が『某牡蠣の人』へのワガママか
夢は広がり麺にも牡蠣を入れる。というワケわからないことを言い出しました。
支援する『博士』も化学の力を使えば100%牡蠣の麺を作ることか可能とパックアップ。
と言うことで今回は牡蠣が入った牡蠣麺をいろいろ作って試食、究極の牡蠣麺がどんなものか探っていきます。
果たしてどんな麺が生まれたのか?
セカウマらーめんズ 仕掛け人
セカウマらーめんズの仕掛け人な方々。
全体プロデュース&牡蠣の提供は左の『牡蠣の人』ことサトウゲンさん。セカウマの牡蠣をプロデュースしているスゴい人。
言い出しっぺ=責任幹事は真ん中の『某大学生』こと勝沼さん。大学生なのにグルメ企画などを開催しているスゴい人。
味作りを支援するのは右の『博士』ことタカヒロ博士。某ビール会社のビールの味を決めるなどをしているスゴい人。
さらにセカウマの牡蠣を裏方で支える知子さん、もはや牡蠣の人ことタカナシさんが協力してくださっています。
テーブルの上には、、、
計量カップ、そば猪口、割り箸、ペーバーナプキン…
軽量カップは何に使うのか…ラボらしい雰囲気が漂います♪
麺に合わせる調味料、トッピングなども並びます。
しょうがすりおろし
第2回のときにも登場したパクチー
かわいい器に入った黒酢
調味料・トッピングその2
煮干し粉
牡蠣のスパイスオイル漬け。カルダモン・シナモン・コリアンダー・八角・ロングペッパーなどのスパイス入り。
牡蠣のオリーブオイル漬け
調味料・トッピングその3
青ネギ
白菜のピクルス。こちらはトッピングと言うより箸休め
干し牡蠣に醤油を入れた返し。本来は醤油1リットルに対して干し牡蠣3つぐらいのところ、間違えて干し牡蠣20個入った袋に醤油300mlぐらいを入れてしまったという贅沢な一品
セカウマらーめんズ 公開製麺場
今回は麺がテーマということで、実際に製麺するところも見せていただけることに♪
すでに事前製麺された牡蠣25%+キタノカオリを使った麺。
こちらは牡蠣25%+全粒粉を使った麺。
なんとビックリセカウマの牡蠣が120個も入った海水と牡蠣のスープがスタンバイ♪
大粒なものから中小さまざまな牡蠣が底に沈んでいます。
セカウマらーめんズ 第3回の内容
今回は博士がスライドを作成してきてくださいました。
タカヒロ博士が目指す牡蠣らーめん
博士が目指す牡蠣ラーメンについて。
グラコロはパンズ、マカロニ、パン粉、タマゴソースなどほとんどの成分が小麦粉で出来ています。
これを某大学生勝沼さんの要望に基づき牡蠣らーめんで実現したい!というのが基本コンセプト。
つまり、スープ、麺、具材をすべて牡蠣で作るというのを牡蠣らーめんでは目指しています。
麺の基礎知識
ラーメンの麺は基本、小麦粉、食塩、水、かんすいで出来ています。
特にラーメンの麺の特徴はかんすいが担っていて麺に香りや粘りなどを与えています。
また、低加水麺、多加水麺という種類がありますが、低加水麺と多加水麺の境界は30〜35%。
低加水麺は、スープを吸いやすく、伸びやすい傾向があります。乾麺に向いてて保存性に優れています。
九州のラーメンでよく使われる細麺が低加水麺です。
多加水麺は、アルコールなどを入れて寿命を延ばすことがあり、ツルツルした麺が特徴です。
では、縮れ麺とストレート麺ではどちらの方がスープと絡みやすいか?
ストレート麺の方が毛細管現象でスープと絡みやすいという特徴を持っています。
縮れ麺はスープを保持できません。
これは話を聴いてちょっと意外でした。
セカウマらーめんズ 第3回 今日のメニュー
今日のメニューは、
- 1杯目:海水と牡蠣のスープでガーダスープ
- 2杯目:台湾麺線風 とろみ牡蠣スープで
- 3杯目:25%牡蠣麺(キタノカオリ)
- 4杯目:25%牡蠣麺(全粒粉)
- 〜歓談:製麺比率と製麺作業、牡蠣100%の可能性〜
- 自由杯:リクエスト製麺と牡蠣の「こなます」
です。
1杯目:海水と牡蠣のスープでガーダスープ
今回も牡蠣の海水と牡蠣をそのまま煮込んだ牡蠣の海水スープがスタンバイ。
1杯目は海水と牡蠣のスープでガーダスープです。
ガーダスープって何よ?というと「小麦粉のダマのスープ」。
早い話がすいとんのようなものと考えていただければ良いかと思います。
、、、って「すいとん」がわからない人もいるかな?
小麦粉を水でまとめたものを汁で煮込んだのがすいとんです。
というのはさておき、
牡蠣の海水スープに小麦粉のダマが入っています。
小麦粉のダマを煮込んだ影響でスープにトロみがついています。
海水と牡蠣のスープと原始の麺?の相性を確認することができました。
と言ってもスープを味わうという感じが強かったです。
2杯目:台湾麺線風 とろみ牡蠣スープで
2杯目は台湾麺線風とろみ牡蠣スープでいただきます。
台湾麺線は、日本では登録商標&お店の名前ですが、一般的には台湾で見られるソーメンを温かいトロみのあるスープで煮込んだもの。
今回は牡蠣と鰹のコラボスープにちょっと高めの素麺を煮込んで仕上げました。
各自の器にもりつけてもらいます。
スープ少なめ麺多め。
トロみのあるスープが絡んでおいしい。
3杯目:25%牡蠣麺(キタノカオリ)
次はついに牡蠣を使った牡蠣麺の登場です。
小麦粉としてキタノカオリと全粒粉を使い味比べをします。
茹でる前の麺を触らせてもらいました。結構固めのしっかりとした麺。
まずはキタノカオリを使った25%牡蠣麺。
茶色い色味が牡蠣が練り込んであることがわかります。なんかお茶っぽい香りがしたのはなんででしょうね?
そのまま食べると牡蠣の風味がして牡蠣麺♪ってことを実感できます。
続いて牡蠣を120個入れたスープを注ぎ入れます。
海水と牡蠣のスープと25%牡蠣麺を使った牡蠣のらーめん♪
ただ、麺単品で食べるのと違ってスープの牡蠣の風味の方が勝ってる感じがしました。
さらに海水と牡蠣のスープ、牡蠣麺には油分がないため、トッピングで牡蠣のスパイスオイル&牡蠣を入れて油分を補給してあげます。
ぷっくりと大きな牡蠣、コリアンダー、八角などが入ったオイルの味も加わって美味しかった!
4杯目:25%牡蠣麺(全粒粉)
続いて全粒粉を使った牡蠣麺をいただきます。
まずは麺だけから。白っぽく見えるのは打ち粉です。
第2回のときに試した油そばをいただきます。返し、牡蠣のオリーブオイル、ネギを入れてかき混ぜたら香りが強くておいしかったです。
ここに海水と牡蠣のスープを加えて食べてみると、やっぱりスープが勝ってるような印象を受けました。
リクエスト製麺 50%牡蠣麺チャレンジの準備
一通り準備した麺の食べ比べをしたあと、牡蠣100%の麺の可能性について考えてみます。
牡蠣ペーストの作成
まずはベースとなる牡蠣のペーストを作成します。
セカウマの牡蠣が惜しげもなく使われます。
ミキサーに投入。
投入されました。
ミキサーにかけ牡蠣ペーストを作成します。
ミキサーにかけるとどんどん緑色になっていきます。
50%の牡蠣麺にするために計量カップで必要分を計量します。
牡蠣ペーストは時間が経てば経つほど粘り気が出てきます。
小麦粉と同じ分量の牡蠣ペースト。
小麦粉の計量
今回使った麺は国産の強力粉、キタノカオリ。
キタノカオリは北海道産の小麦を使った強力粉です。
食パンや菓子パンなどに使われることを想定した小麦粉です。
ボウルに牡蠣と同じ分量のキタノカオリを入れます。
量りを使って正確な分量を量ります。
50%牡蠣麺チャレンジ
牡蠣麺の作成はPHILIPSのパスタマシンを使って行いました。全自動で製麺できるお手軽マシンです。
小麦粉を先に入れたあと、撹拌しながら牡蠣ペーストを少しずつ加えていきます。
見た目はかなりグロいです。
どんどん牡蠣ペーストを投入していきます。
ついに小麦粉と同じ分量の牡蠣ペーストを加えましたが、、、
40%を超えたところからほとんどかき混ざらなくなりました。
撹拌が終わると逆回転が始まり製麺モードになりますが、、、
全然麺が出てきませんでした。
40%牡蠣麺チャレンジ
一緒に観察していた人が40%を超えたところから明らかに撹拌できなくなった。ということだったので小麦粉を150g足して40%の牡蠣麺にすることに。
再度、5分間の撹拌モードにして150%の小麦粉を足して製麺モードに。
かなり出が悪い。
それでも麺らしきものは出てきました。
でも、打ち粉をまぶして1本1本にしようとしたんですが無理でした、、、
とりあえず茹でてみました。
チュロスのようなものが出来てました(^_^;;
40%牡蠣ペーストが入った小麦粉の塊。
製麺機で作るのは出来ませんでしたが、蕎麦やうどんのように、製麺台で薄く伸ばし、麺切り包丁で切れば、麺にすることができるような気がします。
機会があれば試してみる手もあるかと思います。
自由杯:牡蠣の「こなます」
博士が牡蠣麺だけでは飽きるだろうと宮崎の郷土料理を改変した牡蠣のこなますを作ってくれました。
詳細な作り方は見ていないのでわかりませんが、牡蠣をすり潰してご飯と一緒にまぜ、オープンで焼いたもののようです。
人数分に切り分け、、、
1人前分切り出してもらい、、、
器に入れてもらいます。
煮干し粉とごまがふりかけられています。
おこげ直前の状態が香ばしさとホロホロ感を出していておいしい。
200%牡蠣麺チャレンジ!?
ここで博士から意外な発言が。「ここに牡蠣500%のパウダーがあります」って、えっ???
牡蠣の80%は水分のため水分を飛ばしてパウダーにすることで、ジュースで言う濃縮還元の状態にできるとのこと。
ただし旨味成分が抜けてしまうという弱点もあるようです。
が、最後に牡蠣パウダーを使って牡蠣麺の製麺にチャレンジしてみることにしました。
まず牡蠣パウダーと小麦粉を量ってポウルに入れます。
PHILIPSの製麺機へ投入し撹拌。
ここに先ほどの経験を踏まえ、さらに30%分の牡蠣ペーストを加えていきます。
結果、理論値200%の牡蠣麺となることに。
5分の撹拌を終え製麺モードに。今度はニュルニュルと麺が出できました♪
打ち粉をまぶしながら1本1本の麺がくっつかないようにします。
適当な長さで切断し粉を払います。
今までと異なりかなり濃い色の麺ができました。
でも、ちゃんと麺の形になっています。
麺を茹でます。とりあえず2分。
茹でたあと湯を切り水で締めます。
試食したところちょっと茹で時間が短かく硬い感じがしたので、本番の麺は2分30秒で茹でました。
今までとはまったく異なりかなり濃い色の麺。
味もかなり濃い味となりました。
今までと同様に油そばとしてちょっと食べ、スープを入れて食べましたが、さすがにこの濃さになるとスープに負けません。うまい!
ただ、スープと麺とのバランスを考えると、どうするのが良いのか。というのはまだ考える余地があるな。というのが印象でした。
今回のまとめ
今回は麺にフォーカスし、「麺も牡蠣で作ったらどうなるか?」というのを確認しました。
今回、25%牡蠣麺(キタノカオリ)、25%牡蠣麺(全粒粉)、40%牡蠣麺、200%牡蠣麺を試食しました。
個人的な印象としては
- 麺は油そばで食べるのが一番おいしい
- 海水と牡蠣のスープ自体は激ウマ
- ただし、麺と合わせるとバランスとしては、まだ何かが足りないような気がする
- 良い感じで油分を足すことができると良いのではないか?
- チャーシューのようなポリュームを感じる具材があるといいな
と思いました。
牡蠣ペーストにしたり、海水と牡蠣のスープやその他のために使用された牡蠣は全部で700個を超えたということです。
まともなオイスターバーでセカウマ級の殻付きの牡蠣として食べたら1個500円と言われる中、700個を牡蠣を使ったら35万円!
人数割りしたら1人あたり25,000円となってしまいます。
いくら開発研究会とは言え湯水のように牡蠣を使った麺とスープを食べさせていただいた経験は何者にも変えられませんが、、、
牡蠣が原型を留めなければ留めないほど手間と多くの牡蠣を使うためエンドユーザへのコストは上がるのに、価値が下がる感じがするのはいかがなものか、牡蠣の人も悩んでいました。
最後に海水と牡蠣のスープのダシに使った牡蠣を寸胴から救い出し、それをつまみにいただきながら、今後どうなるんだろうと思いにふけった今回のセカウマらーめんズでした。